一人では生きていけない、弱虫な人達。
時間はブスブスと腐臭をたてて
僕の自我の中で腐っていく。
僕は今まで、一人で生きてきた事が
一度も無いのだ。
「誰だってそうだよ」!って皆は
言うかもしれないけど、
僕は本当の意味で、一人で生きてきた事が
ないんだ。
上手く説明することが出来ないから
言うけど、
財布の中身がなくなると、何処からともなく
誰かがやって来て、僕の財布にお金を
補充してくれる。・・そんな恵まれた
人生を僕は送って来た。
僕はそれが、当たり前の事だと思っていたし、
それが感謝に値する事だなんて、
蚊の命程度にしか思っていなかったんだ。
まあ、何が言いたいかと言うと、
とても幸せな人生だったという事だ(笑)。
一週間ほど前の事なんだけど、
朝、目が覚めると・・
隣に男が寝てるんだ!
そう、その通り!
その男は僕だったんだ。
僕はとても深い眠りに落ちていた。
もう二度と目を覚まさない様な表情で
眠っていた。・・と言うより、
完璧に死んでいた。
とても安らかな顔だった。・・
僕はしばらく自分の死に顔を見ていた。
「こんな顔で死ぬんだ」・・
欲を言えば、もう少し口元に
笑みを浮かべて欲しかった(笑)。
祖母の死に顔は、微笑んでいた、
義母の父も微笑んでいた、
10代で亡くなった知り合いの男の子も
とても安らかに微笑んでいた。
彼、彼女らは、いったい何を
見たのだろうか?
それは、一人きりだったのだろうか?
こわくなかったのだろうか?
一人では生きていけない弱虫な僕には
想像すら出来ないんだ・・
僕が消えて無くなる事なんて。
ポチっと↓